エアコン取り付け
エアコン取り付け工事の料金が変わる7つのポイント
「エアコンの取り付けはいくらですか」という質問に、一言で答えられないのには理由があります。エアコン工事は、現場の条件によって作業量が大きく変わるためです。
この記事では、料金に影響する要素を7つに整理して説明します。金額そのものではなく「何によって変わるのか」を知っていただくことで、見積もりの内容を判断しやすくなります。
そもそも「標準工事」とは何を指すのか
量販店や工事店が「標準工事費」として示しているのは、多くの現場で共通して発生する作業の範囲です。一般的には、室内機の取り付け、既存の配管穴の利用、4メートル程度の配管、室外機の地面またはベランダ床置き、真空引きと試運転までが含まれます。
ここに含まれないものが「追加工事」になります。追加工事は業者が儲けるために増やしているものではなく、その現場で必要になる作業です。逆に言えば、標準工事の範囲に収まる現場では追加は発生しません。
見積もりを比べるときは、金額だけでなく「どこまでが標準に含まれているか」を確認するのが確実です。
1. 室内機から室外機までの配管の長さ
エアコンに付属している配管は、多くの機種で4メートル程度です。この長さで室外機まで届くかどうかが、最初の分かれ目になります。
室内機の真下や、すぐ外側に室外機を置ける場合は付属分で足ります。一方、2階の部屋から1階の地面へ室外機を下ろす場合、部屋の反対側の壁面に置く場合、ベランダの端まで回す場合などは、配管を継ぎ足すか、必要な長さのものへ引き直します。
配管は冷媒が通る銅管に断熱材を巻いたもので、長さに応じて材料費と作業時間が増えます。また、配管が長くなると冷媒の追加充填が必要になる機種もあります。
2. 壁の穴あけの有無と壁の材質
配管を通す穴が既にあれば、その穴を使えます。ない場合は新しく開けることになり、この作業の有無で費用が変わります。
穴あけの手間は壁の材質によって差があります。石膏ボードと合板の木造壁は比較的短時間で開けられますが、モルタルやALC(軽量気泡コンクリート)、コンクリートは専用の刃物が必要で、時間もかかります。タイル貼りの外壁では、割れを防ぐための下準備が加わります。
また、壁の中の柱や筋交い、配線を避けて開ける必要があります。狙った位置に構造材がある場合、開ける位置をずらすか、室内機の取り付け位置自体を変えることになります。
集合住宅では、外壁への穴あけが管理規約で制限されていることがあります。工事前に管理会社やオーナーへの確認が必要かどうかをご相談ください。
3. 室外機をどう設置するか
室外機の設置方法は、費用差が出やすい部分です。地面やベランダに置く「床置き」がもっとも簡単で、それ以外は部材と手間が加わります。
- 床置き(ブロック使用):もっとも一般的で、追加部材はプラスチックまたはコンクリートのブロックのみ
- 壁掛け:外壁に金具を固定して吊る方法。金具代と、下地の強度確認・固定作業が加わります
- 屋根置き:屋根に架台を組んで据える方法。架台代と高所作業が加わります
- 二段置き:既にある室外機の上に架台を組んで重ねる方法。架台代と組み立て作業が加わります
- 天吊り:軒下などに吊る方法。金具と固定作業が加わります
設置方法は「置ける場所」から逆算して決まる
壁掛けや屋根置きを選ぶのは、見た目や好みではなく、床に置ける場所がないためです。駐車スペースを潰したくない、通路をふさげない、地面が斜面になっている、といった条件から方法が決まります。
どの方法になるかは、現場を見ないと判断できません。ご相談の段階では、室外機を置きたい場所の周辺を撮った写真があれば、おおよその見当はつきます。
4. 高所での作業があるかどうか
脚立で安全に届く範囲かどうかで、必要な準備が変わります。2階以上の壁面に室外機を掛ける場合、屋根に上がる場合、室内機の位置が高い場合などは、足場や高所作業車が必要になることがあります。
高所作業は費用が上がる要素ですが、これは安全確保のための準備にかかるものです。無理な体勢での作業は、作業者の危険だけでなく、締め付け不足や取り付け精度の低下にもつながります。
5. 電源・コンセントの状況
エアコンは専用回路から電源を取るのが基本です。専用コンセントがすでにあり、本体の必要電圧と形状が合っていれば、電源側の作業は発生しません。
費用が変わるのは次のような場合です。本体が200V仕様でコンセントが100Vの場合は電圧の切り替え工事が必要になります。専用コンセントがない場合は、分電盤から新しく配線を引く作業が加わります。コンセントの位置が遠い場合は、配線を延長することになります。
分電盤に空きがあるか、配線を通せる経路があるかによって作業内容が変わるため、分電盤の写真を事前にお送りいただけると判断が早くなります。
6. 既存のエアコンや配管が残っているか
同じ場所に前のエアコンが付いている場合、取り外しの作業が加わります。取り外しにはポンプダウン(冷媒を室外機へ回収する作業)が含まれ、機器が動かない場合は専用の回収機を使う対応になります。
取り外した機器を処分する場合、その運搬と処分の扱いも発生します。フロン類の回収が必要な機器のため、家庭ごみとして捨てることはできません。
既存の配管を再利用できるかどうかも費用に影響します。使えれば材料費が抑えられますが、配管径が合わない、劣化している、旧タイプの冷凍機油が残っているといった場合は引き直しになります。
7. 化粧カバーなど仕上げの部材
屋外に出た配管を覆う化粧カバー(スリムダクト)は、必須の部材ではありません。付けるかどうかで費用が変わります。
付ける利点は2つあります。配管の断熱材が紫外線で劣化するのを抑えられること、そして外壁の見た目が整うことです。外壁の目立つ位置を長い距離通す場合は、検討する価値があります。
費用は長さと曲がりの数で変わります。真っすぐ下ろすだけなら短く済みますが、壁を横に回してから下ろす場合は部材が増えます。
料金を確認するときに聞いておくとよいこと
見積もりを受け取ったとき、金額だけを見て比べると判断を誤ることがあります。次の点を確認しておくと、内容を比較しやすくなります。
- 標準工事に含まれる作業の範囲(配管の長さ、室外機の設置方法、真空引きの有無)
- 追加になる可能性がある作業と、その条件
- 現場を見てから金額が変わる可能性があるか、変わる場合はどの項目か
- 既存機の取り外しと処分が含まれているか
- 真空引きを行うかどうか(省かれることがあるため、明示されているか確認する価値があります)
まとめ
エアコン工事の料金は、配管の長さ、壁の穴あけ、室外機の設置方法、高所作業、電源、既存設備、仕上げ部材という7つの要素で変わります。どれも現場の条件から必要になるもので、任意に増やせるものではありません。
3Peaceでは、現場の状況を確認したうえで必要な作業をお伝えし、追加が必要になる場合は作業前に理由とあわせてご説明しています。
この記事に関するよくある質問
現場を見る前に、おおよその金額は分かりますか。
条件が分かれば、ある程度の見当はお伝えできます。特にコンセントの形、室外機を置ける場所、配管穴の有無が分かると精度が上がります。写真を添えてご相談いただくのが確実です。
追加工事は当日その場で決まるのですか。
事前の確認で分かる範囲はお伝えしますが、壁を開けてみて分かることもあります。その場合は作業を止めて、必要な作業とその理由をご説明したうえで進めます。ご説明なく作業を追加することはありません。
真空引きをしないと安くなるのですか。
作業時間としては短くなりますが、勧められる方法ではありません。配管内の空気と水分が残ったまま冷媒を流すと、機器の内部を傷める原因になります。その日は問題なく動くため差が見えにくいのですが、数年後の状態に影響します。
この記事について
- 監修
- 3Peace 代表 面出 洋平
- 所在地
- 広島県広島市西区己斐上4丁目36-18
- 公開日
この記事は、広島市西区己斐上でエアコン工事を行う3Peaceが、実際の施工で確認している内容をもとに作成しています。 現場の条件によって適切な方法は変わるため、個別の判断は状況を確認したうえでご案内します。
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