配管
エアコンの配管・ドレンホースはなぜ重要?
エアコンの工事で、本体の取り付けと同じくらい仕上がりを左右するのが配管です。壁の中や外壁沿いを通るため、完成後はほとんど目に入りませんが、ここでの処理が数年後の状態を決めます。
エアコンには2種類の管が通っています。冷媒が流れる「冷媒配管」と、結露水を捨てる「ドレンホース」です。この記事では、それぞれの役割と、施工で何を見ているのかを説明します。
2種類の管が通っている
室内機から室外機へ向かう配管の束の中には、いくつかのものがまとめられています。冷媒が流れる銅管が2本(細い液管と太いガス管)、結露水を流すドレンホース、そして室内機と室外機をつなぐ電源線です。
これらをテープで巻いてひとまとめにし、壁の穴を通して屋外へ出します。屋外では、そのままテープ巻きの状態で下ろすか、化粧カバーで覆います。
冷媒配管は「エアコンが効くかどうか」に、ドレンホースは「水漏れが起きるかどうか」に直結します。役割が違うため、それぞれ見るべき点も違います。

冷媒配管:エアコンが効くかどうかを決める
冷媒配管は銅でできた管に、断熱材を巻いたものです。この中を冷媒が循環し、室内の熱を屋外へ運びます。
潰れると流れが妨げられる
銅管は柔らかく、素手でも曲げられます。この性質のおかげで配管の取り回しができるのですが、無理に小さく曲げると管が潰れます。
潰れた部分では冷媒の流れが妨げられ、圧力のバランスが崩れます。結果として冷えや暖まりが悪くなり、圧縮機にも負担がかかります。
曲げるときは半径を確保し、繰り返し曲げ直さないのが基本です。何度も曲げ直すと金属疲労で割れることがあります。
フレア加工の精度が漏れを左右する
配管の接続部では、管の先端をラッパ状に広げる「フレア加工」を行います。この広げた面と、機器側のナット部分を密着させて締め付けます。
この加工が雑だと、面が均一に当たらず、そこから冷媒が少しずつ漏れます。漏れの量が少ないと、数か月から数年かけて冷媒が減り、じわじわと効きが落ちていきます。「去年より冷えない」という症状の原因になることがあります。
締め付けはトルクレンチで規定値に合わせます。強く締めれば漏れないというものではなく、締めすぎるとフレア部分が割れます。
断熱材が劣化すると結露する
冷媒配管には断熱材が巻かれています。冷房運転中、配管の表面は冷たくなるため、断熱がないと空気中の水分が結露して水が垂れます。
屋外の配管はテープを巻いた状態で紫外線にさらされます。年数が経つとテープと断熱材が劣化し、硬くなってひび割れ、最終的にボロボロと剥がれます。ここまで進むと結露水が垂れるようになります。
化粧カバーで覆うと、この劣化を大きく遅らせることができます。必須の部材ではありませんが、外壁の目立つ位置や日当たりの強い面を通る場合は検討する価値があります。
ドレンホース:水漏れの原因の多くはここにある
冷房運転中、室内機の熱交換器は冷たくなります。そこに部屋の空気が当たると、空気中の水分が結露します。この水を受けるのがドレンパンで、そこから屋外へ流すのがドレンホースです。
量は思っているより多く、湿度の高い日には1時間に数百ミリリットルになることもあります。この水が正しく流れないと、行き場を失って室内機からあふれます。
勾配がすべて
ドレンホースはポンプで水を押し出しているわけではなく、重力だけで流しています。つまり、室内機から屋外の排水先まで、常に下り勾配が保たれている必要があります。
どこかで水平になったり、少しでも持ち上がったりすると、そこに水が溜まります。溜まった水は流れを妨げ、やがて逆流して室内機から垂れます。
壁の穴も同様です。室内側から室外側へ向かって下がっている必要があります。水平や逆勾配だと、そこで水が止まります。
たるみが水たまりをつくる
ホースが途中でたるむと、その底に水が溜まります。溜まった水にはホコリやカビが混ざり、時間とともに固まって詰まりの原因になります。
長い距離を配管する場合は、途中でホースを固定してたるみを作らないようにします。
ホースの先端が塞がれていないか
ドレンホースの出口が地面に埋まっている、水たまりに浸かっている、落ち葉で塞がれている。こうした状態では水が出ていけません。
出口に虫の侵入を防ぐキャップを付けることがありますが、これも目詰まりすることがあります。年に一度程度、出口の状態を見ておくと安心です。
室内機から水が垂れる場合、本体の故障よりドレン系統の問題であることが多くあります。清掃や勾配の調整で改善することがあるため、まずは状態の確認をおすすめします。
壁の貫通部の処理
配管が壁を通る部分には、スリーブ(貫通スリーブ)という筒を入れます。これは壁の断面を保護し、配管が壁材に直接触れないようにするためのものです。
スリーブを入れたあと、室内側と室外側の隙間をパテで埋めます。この処理を省くと、隙間から虫が入ってきたり、雨水が壁の中に入ったりします。
室内側の穴には、エアコンパテという粘土状の材料を詰めます。屋外側は雨がかかるため、耐候性のある材料で塞ぎます。ここが劣化して隙間が空いていないか、数年に一度は見ておくとよい部分です。
配管の状態を自分で見るには
専門的な判断は必要ありませんが、次の点は見て分かります。
- 屋外の配管のテープが硬くなっていないか、ひび割れていないか
- 断熱材が露出して、白や黒のスポンジ状のものが見えていないか
- 配管が極端に折れ曲がっている箇所がないか
- ドレンホースの出口から、冷房運転中に水が出ているか
- ドレンホースの出口が地面に埋まったり、塞がれたりしていないか
- 配管が壁を通る部分のパテが劣化して隙間ができていないか
交換や移設は、配管を見直す機会になる
エアコンを入れ替えるとき、配管をそのまま使うか引き直すかの判断があります。使えるなら費用は抑えられますが、状態が悪ければ引き直したほうが長く安定します。
特に、断熱材が劣化している、配管径が新しい機種に合っていない、古いタイプの冷凍機油が残っている、といった場合は引き直しを検討します。
また、前の施工でドレンホースの勾配が不足していた場合、それが水漏れの原因になっていたことがあります。入れ替えのタイミングで経路を見直せるのは、この工事の利点です。
まとめ
冷媒配管は「効きが持続するか」を、ドレンホースは「水漏れが起きないか」を決めます。どちらも工事が終われば見えなくなる部分ですが、数年後の状態はここで決まります。
屋外の配管の劣化や、ドレンホースの出口の詰まりは、ご自身でも確認できます。気になる点があれば、写真を添えてご相談ください。
この記事に関するよくある質問
室内機から水が垂れてきました。故障でしょうか。
ドレン系統の問題であることが多く、ホースの詰まりや勾配の不足、室内機の傾きが原因になります。本体の故障とは限りません。まずは屋外のドレンホースの出口から水が出ているかを確認してみてください。出ていない場合は、途中で詰まっている可能性があります。
屋外の配管のテープがボロボロです。放置しても大丈夫ですか。
断熱材が露出すると、冷房運転中に配管が結露して水が垂れます。また断熱の効果が落ちるため、効率にも影響します。テープの巻き直しや化粧カバーの取り付けで対応できることが多いので、状態を確認させてください。
化粧カバーは付けたほうがよいですか。
必須ではありませんが、配管の劣化を抑える効果があります。特に日当たりの強い面や、外壁の目立つ位置を通る場合は検討する価値があります。費用は配管の長さと曲がりの数で変わります。
この記事について
- 監修
- 3Peace 代表 面出 洋平
- 所在地
- 広島県広島市西区己斐上4丁目36-18
- 公開日
この記事は、広島市西区己斐上でエアコン工事を行う3Peaceが、実際の施工で確認している内容をもとに作成しています。 現場の条件によって適切な方法は変わるため、個別の判断は状況を確認したうえでご案内します。
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